【朗読】62)『アミ3度めの約束』第9章 シャンバラ ①
- 学 心響
- 20 時間前
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エンリケ・バリオス著の『アミ3度めの約束』の朗読と個人的な感想です。
【文字起こし】
(漢字表記も含め全て原文のままです)
第9章 シャンバラ ①
いったん、円盤の中へもどり、落ちついたところで、アミはぼくたちをさいごに海岸の家へつれて帰る前に、ただたんに見せるだけでない、とても重要なところへ案内すると言った。そして、それはこれまでのすべての旅で見せてくれたものの中で、いちばん重要なものだと言ったので、とうぜんぼくは、いままでとはまったくちがった世界へつれていってくれるものと思った。だから、まどの外に大きくぼくの惑星が見えてきたときには、思わずこう言った。
「アミ、でもこれ、地球じゃないか……」
「そうだよ。あそこにきみたちにぜひ見せたいものがあるんだよ」
「ウーン……、でも、もうきっとそれほどめあたらしいものじゃないね……以前、海の中にある文明を見せてくれるって言っていたけれど、それ?」
「いや、そうじゃない。でも、そこへはこんどキアヘビンカの原稿をもっていくときにつれていってあげるよ。地球のじゃないけどね。それから人工の惑星にもね。それから……」
「どうして人工の惑星をつくったりするの?」
アミの話の腰を折ってビンカが質問した。
「どんな太陽だって、いつか“死ぬ”時がやってくるんだ。そのときには、爆発して自分の惑星すべてを燃やしてしまう。そうなる前に、その惑星の住人たちはおおぜいまとまって避難しなければならない。そのときのために人工的に惑星をつくっておいてあるんだよ。そして巨大な宇宙船のように、別の太陽の軌道に乗れるように、そうじゅうして……。でもそれはあとで見ることにしよう……ああ、それから、もしきみたちが行きたいなら、過去にもちょっとだけつれていってあげよう。でも、そういうものよりもこれから見るもののほうが、きみたちにとってはずっとずっと重要なんだよ」
円盤はゆっくりと下降をはじめ、ヒマラヤ山脈の上空を進んでいった。そしてとつぜん、切り立った岩山のひとつにむかって、すさまじいスピードで近づいていった。ぼくはすぐに、サリャ・サリムやエクシスのときみたいに、かたい物質の中をとおりぬけて地下へ行くんだなってわかったから、こわくはなかった。でも、ビンカときたら、衝突するって思った瞬間には、やっぱりいつもどおり、ギュッと目をつぶっていた。今回ぼくは、岩の中をくぐりぬけていくときに、まどの外になにがあらわれるのかを知りたくて、目をこらしていた。でも、なにも見えなかった。ただほんのいっしゅん、なにか黒いものが見えただけで、そのあとにはすぐ、大きな都市が目のまえにあらわれた。
「われわれはまた、文明世界の領域に入っている」
アミの声は元気だ。
ぼくはまた、サリャ・サリムやエクシスのときみたいな超モダンなものが見られるのかと思っていた。でも、まったくちがっていた。目の前の都市は、儀式かなにか、そんな感じのことを行なうところのような印象を受けた。だって、まどの外にひろがるのは、小さな半円形の家々ばかりの白い都市の風景で、そのほかには、巨大な球形の白い建物だけが、都市の中心部に堂々と美しいすがたを見せていたからだ。
それ以外には、大きな建物はまったくなかった。その光りかがやく球形の建物は、地球でいうなら赤道にあたる部分を、四本の“うで――やや曲がった支柱”で支えられ、おしりの部分を地面につけているかっこうだった。これは、この地底基地のもっとも重要な建物だということだ。沿道に木々や草花が植えられた四本の大通りが、四方からその建物にむかってのび、それぞれの支柱の前で終わっていた。
たくさんの円盤とたくさんの人々が行き来しているのが見えたけど、ぜんたいが大きな調和と平安につつまれているように思えた。
「この基地はシャンバラっていうんだよ」
「シャンバラ! ぼく、その名前、どこかで聞いたことがあるよ……たぶん、歌かなんかで……」
「そうかもしれない、ペドゥリート。だって、シャンバラはアガディールとかアガルティとおなじように、古い言い伝えの中に語られているしね。エル・ドラードやシャングリ・ラなんかは、さほど知られていないけど」
「どうして秘密の基地なのに、古い言い伝えの中には出てくるの?」
「言い伝えの多くには、人類が叡智の道をたどるための真実が、そうとはわからないかたちでかくされているんだよ。われわれじしん意識的に、言い伝えの中にその証拠をのこしたりもした。おとぎ話めいているけれど、ほんとのことのようでもあり……ちょうどきみたちが書いている本みたいな感じにしたんだよ……」
これ以上のうまい説明があるだろうか?
「じゃ、これからあの球形の建物の近くに着陸しよう。あれは研究所なんだよ」
「研究所。ぼくは選技場かと思っていたよ……」
「いや、そうじゃないよ、ペドゥリート。むしろ寺院とでも呼んだほうがいいかもしれないね。だって、あそこでやっているのは、寺院のなかでおこなわれている仕事とよく似たところがあるんだ。つまり、もっとも高い水準の、精神的で霊的なエネルギーを発生させているんだよ」
ぼくには、それが寺院の目的だとは、とうてい思えなかった。ぼくの考えをキャッチしたアミが言った。
「いっけんそう思えるけど、地球の視点からはなれて、つまり個々の宗教システムにとらわれない視点から考えると、寺院の目的は、やっぱりそれにつきるんだよ。たとえていうなら、電気のようなものだよ。だって、それが原子力発電所からこようと、風力発電所からこようと、水力発電所からこようと、電気がつけば、電力がどこからこようと、たいして重要なことじゃないだろう」
「ああ、なるほどね」
「じゃ、下におりる準備をしてね。会ってほしい友だちがいるんだ」
この都市には神秘的なふんい気がただよっているのを、ぼくははっきりと感じた。
「そのとおりだよ、ペドゥリート。ここのエネルギーがちょっとちがっているのによく気がついたね。そう、より高くてせんさいなんだ。なぜならここが、地球の重要な霊的中心地のひとつだからだし、きみが自分の内的な感覚に注意をはらっていたからでもあるんだよ」
「それ、どういうことなの? アミ。この都市はサリャ・サリムとはちがうの?」
「ちがうんだよ、ビンカ。未開世界には、目的ごとにちがった基地があるんだよ。たとえば、サリャ・サリムはキアの社会と政治の進歩にかんして監督しているけれど、それとは別に、生物の進化にかんして監督していたり、文化や科学技術の発展をたすけたりしている基地もある。地球人類の精神の進歩を監督する仕事は、ここシャンバラが中心になっているんだよ」
寺院は、ダイヤモンドかガラスのようなものでできた、巨大な板石のまん中の上に建っていた。ぼくたちの乗った円盤は、宇宙船専用につくられたパーキングではなく、そのキラキラとかがやく大きな宝石の上にとまった。
「ここは水晶でできた、この惑星最大のプラットホームなんだよ。とてもせんさいなはたらきをする水晶で、脳の振動を集中させたり、増幅させたりできるんだよ。ここにいるひとたちもやっぱり、地球人類が精神や脳で高い振動を生みだせるように、いろいろと仕事をしているんだ。そういったエネルギーは、ここから地球のあらゆるところへと送られているんだよ」
ぼくたちは例のへやで全身を“消毒”してから、円盤の外に出て、寺院にむかった。
建物を支えている四本の“うで”の側面には、細いふちのようなものがついていて、よく見るとそれは、右側は上りの、左側は下りのオートマチックな階段だった。そして、球体の赤道部分にある建物の入口までつづいていた。
ぼくたちはそのひとつを上りはじめた。でも、階段のはばは1メートルもなかったし、それに手すりもついていなかった。上にいくにつれ、その高さに圧倒されて、めまいを起しそうなくらい緊張したので、ぼくはできるだけかべにはりつくような姿勢をとることにした。
すぐまえにいたビンカが、ぼくをふりかえった。肝をつぶしたような顔で、いまにもひざをついてしゃがみこみそうだった。ぼくは彼女をうしろからかかえて支えてあげた。
「ビンカ、下を見ちゃダメだ。だいじょうぶだよ。落ちついて、内面の均衡を保つようにしてごらん」
とアミが言った。
アミの言うとおりにして、ビンカは少し落ちつきを取りもどした。
あの階段は、とっても危険だと思った。もしあの高さで、ほんとうにめまいでも起こしたら……それでもう、ハイ、サヨウナラ・アディオース。手すりをつけないなんて、まったくおろかだとしか思えない。そうじゃなければサディスティックなんだ。
「この中では精神的な、霊的なエネルギーを高揚させる仕事をしている。そのエネルギーの質は、われわれのからだと精神状態で決まるんだ。ここまで上ってくるのに、心やからだのコンディションがじゅうぶんでないのがわかれば、中に入ったところでしかたがない。だって、高い霊的エネルギーを放射することができないからね」
アミの言っていることはいちおう理解できたけど、たとえばそれが、ぼくのおばあちゃんみたいなひとだったらどうなるんだろうって思った。おばあちゃんはあんなに善良で精神的だけれど、きっとこわがって上れないだろう……。そう考えると、ちょっと差別的な感じがした。これはフェアじゃないよ。
もちろんアミは、ぼくの思っていたことを“聞いて”いた。
「たしかに彼女はとても善良だし、精神的なひとだよ、ペドゥリート。でも、それとはまた別の話なんだ。ここではたらいているひとたちは、地球人類にたいして大きな責任を負っている。だから仕事をするときには、自分の心やからだのコンディションをベストの状態にしておかなければならない。この階段はそのためのものなんだ。この階段をのぼれば、自分で自分のコンディションを“測定できる”んだよ。もし上っていくとちゅうで気分が悪くなったりしたら、その日はいったん上りきったあと、中には入らずにそのまま帰って、あらたにベストコンディションの日を待てばいい。頭とからだの状態がよければ、すこやかな精神状態は保証されている。われわれのからだっていうのは、われわれの魂の状態を三次元化したものなんだからね」
こんどはよく理解できた。別に差別してるわけじゃなくて、“プロフェッショナルな精神”はいつも高い水準にあるべきだってことを、アミは言っていたんだった……。
階段を上りきって、研究所――寺院の入口までたどりついた。
「静かにね。それから、敬意をはらうことを忘れないで」
ぼくたちは言われたとおりにした。
中に入ると、灌木と草花のあるテラス、らせん階段なんかがあったけれど、とりわけ目をひいたのが、たくさんのイスが設置されたひろいスペースだった。イスから見おろすスペースの中央部分には、水晶の板石が敷かれていて、その板石の上には、ライトアップされた美しい祭壇があり、オベリスク(訳注:方形で、上にいくにつれて細くなっていき、先端はピラミッド形をした柱のこと)のかたちをしたニメートルほどの高さの石が、七つも立っていた。オベリスクようの石は、一つひとつちがった色をしていて、宝石のようにまばゆく光り、とってもきれいだ。
そのうちのひとつ、むらさき色をした石のまわりを、白い服に頭巾をかぶった一団が、円を描くようにしてかこんでいた。そのむらさき色の宝石は、三角形のダイヤモンドのようにかがやいたガラスの台の上に乗っていた。
「あれは、純粋なダイヤモンドだよ、ぺドゥリート。あの頭巾のひとたちは、霊的振動をよりよく伝えるために、ダイヤモンドから巨大な水晶の板石をとおして地球人類の魂にむけてエネルギーを発しているんだよ」
頭市をかぶっていないひとも、おおぜいいた。大部分のひとは、赤銅色のはだをした人種のひとたちで、三メートルもあるオフィルのひとたちほどではなかったけど、ぼくたちよりははるかに背が高くて、ニメートル前後はあった。頭はぼくたちよりも大きく、からだはほっそりしているのに、筋肉や骨格がしっかりと発達している。男のひとたちの体毛はうすく、女のひとたちのからだは、地球の女のひとみたいな曲線的なからだつきではなくて、もっとずっとやせていた。顔には一本のしわもなかった。まるで整形手術かなんかで、うしろからひふをギューッとひっぱったみたいだ。とても大きな、そしておだやかなひとみをしていて、その色がさまざま――黒、茶、灰色、みどり、青、その中間のようなびみょうな色合い――なのは、地球人とおんなじだった。わずかにカールのかかった金髪や栗毛を、男女ともにとても短くしている。そしてみんな、えりなしのゆったりとした服を身に着けていた。見わたしたところ、地球人はどこにもいなかった。
アミはちょっとほほえんでから、小さな声で言った。
「ここにはたくさんの地球人がいるよ……」
ひょっとして、下のほうにいる頭巾をかぶったひとたちの中にいるかもしれなかったけど、はっきりと目に見える範囲では、ぼくにはひとりも確認できなかった。
彼らはうでをあげて、歌っているのか祈っているのかはわからなかったけど、とにかく息長く声を出していた。声とふんい気のあまりの美しさに、ビンカはすっかり心を打たれたようすで、うるんだひとみでぼくを見た。ぼくも、あの場のとってもきみょうな振動に、とりはだが立ってきた。
「ふたりとも、そんなに感動しないでよ。これから、あそこまでおりていかなくっちゃね」
ぼくたちは、むらさきの石をとりかこむひとたちのいるすぐそばの水晶の敷石までおりていった。アミはよこにあるとびらのほうへ、ぼくとビンカを案内した。中に入ると、さらに下の地下室へとつづく階段があって、それをおりていくと、明るく照らされたろうかに出た。ぼくたちはろうかをまっすぐに進んで、左側の広間に入った。そこでひとりの男のひとが、ぼくたちを待っていた。講演用のつくえのそばに立っていたのだけれど、とても背が高い。やっぱり地球人じゃなくて、さっきのひとたちとおなじ人種だった。
親愛の情のこもったまなざしでぼくたちを見つめ、サリャ・サリムのにせテリたちとおなじ、右うでをかたの高さに水平にばし、ぼくたちに手のひらをむけるしぐさであいさつをしてきた。
「シャンバラへようこそ。わたしの名前はシルクです。そしてわたしが、この研究所でおこなわれているいろいろな活動をコーディネートしています。どうぞ、すわってください」
ぼくたちがすすめられるままに腰をおろすと、彼もすわった。シルクを見ているうちに、ぼくは前の旅で会った、地球“救済計画”のすべてを指揮しているという司令官のことを思いだした。でも彼にくらべると、このひとは外見上はぼくたちに近かった。
「でも、司令官とおなじ惑星の人種だよ」
とアミが教えてくれた。
「ああ、どうりですぐに彼のことを思いだしたわけだ」
「彼は、わたしたちの民族の中でも、その魂がもっとも多くの光につつまれているひとりなんだ。なにか質問はあるかね? きみたち」
司令官のことを話すときのシルクの口調は、尊敬と感動に満ちている。
ぼくはなにを質問していいのかわからなかったけど、ビンカが質問した。
「あなたはどの惑星からきたのですか?」
アミもシルクも笑った。ぼくはどうして笑ったのか聞いてみた。
「ビンカの質問が、あまりにも核心をついていたからさ。おかげでシルクは、まわりくどいこといっさいなしで、ダイレクトに本題に入れる。でもその答えに、きみたちはおどろくことうけあいだ……」
そう言われても、ビンカは信じなかった。
「わたしたち、そんなにおどろかないと思うわ、だってもう、遠い惑星に生まれたいろんな宇宙人に会うのには、なれちゃっているもん」
「わたしは宇宙人ではなく、地球人です」
とシルクはいたってまじめに答えた。
「エエーッ!?」
小さな宇宙人はぼくたちのようすに笑いながら、こう言った。
「一回めの旅は、きみたちにとって第一段階“A”にあたっていた。“宇宙生命”というテーマにおいてね。二回めの旅は“B”であり、今回のは、“C”なんだよ。もちろん、きみたちの書いた本を読んだひとたちにとっても、それはおんなじなんだよ。このテーマにかんして、だんだんグレードアップしてきているんだ。いいかい、これからシルクが言うことを、心して聞いてよ。“ダイナマイト100パーセント”だ……」
「ここはわたしの世界なんだ」とシャンバラのひとは説明をはじめた。
「わたしはここで生まれた、何代ものわたしの先祖たちとおなじように。そしてきみたちがすでに目にしたわたしに似たあの者たちも、みんな地球人なんだよ……」
エッ! あのひとたちが地球人だって!? だってあんなに進化してるのに!? ……しかもぼくたちの地球に、何代にもわたって生きつづけてきてるなんて!……たしかにアミの言うとおりだった。おどろきなくして、シルクの話を聞くことはできなかった。
「でも、ここにきている兄弟たち全員が、ここで生まれたわけではない。ここには一時的に滞在している者もいる。彼らは、わたしたちが大むかしにあとにした、遠い世界からきているんだ」
【感想】
とうとう、人類が叡智の道をたどるための真実が明らかになってきました!地下にある基地は「シャンバラ」という名前で、古くからの言い伝えに証拠を残してあること。日本に伝わる神話や桃太郎などのおとぎ話にもきっとその証拠がちりばめられているのでしょう!そう考えると、本当に奥が深いし、どのように受け取るかはその人個人に委ねられているな、と改めて思いました。
しかも、その基地で行われていることは「寺院のなかでおこなわれている仕事」と似ているとのこと。日本では「寺院」というより、「神社」という方がしっくりくるかもしれません。なんといっても、日本の神社数はコンビニエンスストアよりも多いのですから!そして、その基地では、「高い水準の、精神的で霊的なエネルギーを発生させている」というのです。実際に、神社に行くととても清々しい、精妙な空気感を感じます。それは高い水準の精神的・霊的エネルギーだったのですね!
とても信じがたいことでもあるのですが、そのシャンバラという基地で高い水準のエネルギーを発生させているのは全て地球人である、ということです。地球に何世代にも渡って生きていて、地表の地球人のために活動していてくれたのです。地球人も進化していかれること、いつかわたしたちも高い水準のエネルギーを出せるようになることをイメージできることは幸せなことだな!と思いました。



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