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【朗読】14)『アミ 小さな宇宙人』第12章 宇宙生命体への階段

エンリケ・バリオス著の『アミ小さな宇宙人』の朗読と個人的な感想です。







【文字起こし】(漢字表記も含め全て原文のままです)



第12章 宇宙生命体への階段

 

 水の中から、すさまじいスピードでオフィル上空に舞い上がった。数秒後にはいくつかの建物があるところにつき、円盤は、そのまま、空中にぴたりと停止した。まどの外を見た。とたんに、ひどいめまいを感じた。なんと、何人ものひとが、空中を、“と…ん…で…い…た!!”。


 空中に両手をひろげて、あるひとは垂直に、あるひとは水平に浮いていた。みな、目を閉じていて、やさしい、うっとりとした表情をしていたが、深く気持ちを集中させているようすがわかる。空中をゆっくりとまるでワシのように、大きな輪を描きながらとんでいた。アミは“センソ・メトロ(感覚計)”を取り出して、彼らのひとりにあてた。

 「彼の進歩度を見てみよう」

 透明になった男が、スクリーンにあらわれた。彼の胸の光にはおどろくべきものがあった。光は彼のからだの内部だけにとどまらず、からだの周囲を、弧を描いたように外にむかってかがやいていた。

 「宇宙最大のカ――愛のカ――を体験しているところだ」

 とアミが説明してくれた。

 「どうして、とぶことができるの!?」

 とてもおどろいて聞いた。

 「愛の力がもちあげているんだよ。ちょうどぼくたちが海岸でやったようにね」

 「きっと、すごい度数をしているんだろうな?」

 「ここにいるひとたちは、平常1000度前後の度数だけど、精神を愛に集中することにより、2000度以上にもなる。いまやっているのは精神訓練のひとつだけど、訓練が終われば、いつもの度数にもどるんだ。また、いまの彼らとおなじくらいの度数を平常もっている世界の人々もいる。でも、きみもぼくもいまのところ、到達できそうもない世界もある。それは、一万度を超える度数をもっている太陽のひとたちで、もう、ほとんど純粋な愛だ」

 「太陽のひとたち?」

 「うん、さまざまな太陽に住んでいるひとたちのことだよ」

 「そんなこと、いちどだって想像したことなかったよ!」

 「とうぜんだよ。だれだって、自分のはるか上にある段階のことなんか、見ることも想像することもできないからね……じゃ、こんどはむこうのグループを見に行こう」


 遠くの野原に、さっきのひとたちとおなじ格好をした五十人くらいのひとたちが、輪をつくってすわっていた。いっけんして光りかがやいているように見えた。足を交差させて、背をまっすぐにのばし、瞑想していた。


 「なにをしているの?」

 「宇宙のそれほど進歩していない世界に、テレパシーでメッセージを送っているんだよ。でも、頭だけで知覚するのはむずかしいね。いっしょに心もともなわないと」

 「それは、前に話してくれたけど、どういう内容のメッセージなの?」

 「頭でなにかを考えるのを少しやめて、胸に注意をするようにしてごらん。そうすればたぶん、感じ取ることができるよ。発信地のすぐ近くにいるからね。……あっ、そうじゃないよ。もっとからだをずっとリラックスさせて、目を閉じて、注意深くしてごらん」

 彼に言われるとおりにした。さいしょは、このあたりに近づいたときから感じていた、特別な感動に近い感覚以外にはなにも感じなかった。でも、そのあとで、なにか理想的な感覚がぼくの中に入りこんできた。


     “すべて、愛に基づいてないものは、

      こわされて……

      時とともに、忘れ去られ

      捨てられていく……


 一種のとても気高い明るさのようなものが、ぼくの内部にわきあがってきた。そのあとで、ぼくの頭に、つぎのような感情の言葉がおかれた。それはなんだかとてもふしぎではあったが、どうじにとても美しかった。


     “愛に基づいている、すべてのもの……

      友情 や 夫婦

      家族 や 組合

      政府 や 国家

      個人のたましい  人類のたましい

      これらは、みな、

      堅固で確実で、

      繁栄し、実を結び

      こわれることを、知らない……”


 ぼくにはそれを言っているひとが、ほとんど“見える”ようだった。それは、これらを唱えているひとからではなく、ぼくにはまるで神が言っているように感じた。


     “これが、わたしの掟だ。

      ……これが、わたしの約束であり、

      私の法だ……”


 「ぺドゥリート。キャッチしたかい?」

 アミがぼくに聞いた。目をあけた。


 「うーん……これ、いったいなんのためにやっているの?」

 「このメッセージは、ずっと深いところ――そう、神からきているんだ。そしてここにいるひとたちは、それをキャッチして、地球のようにあまり進歩していない世界に再送信しているんだ。むこうで、だれかが受信するんだけど、かならずしも純粋に再生するとはかきらない。それは、受信するひとの意識の水準によるんだよ」

 「意識の水準?それなんのこと?」

 「ふたつの脳のバランスの度合いのことだよ。受信するひとのこのバランスが正しくとれていれば、メッセージを正確に受け取って、新しい時代の創造のために使われるけど、そうでないとゆがんで解釈されて、反対に、恐怖や混乱や暴動などが増加することになるんだよ」

 「新しい時代だって?」

 「うん、“水がめ座の時代”のことだよ」

 「その“水がめ座の時代”って?」

 「地球という惑星の新しい発達段階で、数千年ものあいだつづいた野蛮な時代のつぎにくる、新しい愛の時代のことだよ。地球もよりせんさいな宇宙エネルギーに支配されるようになり、すべてのひとの愛の成長をたすけるようになるんだ。地球のひとも、もうオフィルのように幸せに生きることができるようになるんだよ」

 「う~ん。でも、どうして、まだ、できないでいるの?」

 「それは、いまだに、時代おくれの古い考えと、新しい時代には順応できないシステムにしたがいつづけていて、それが、人々を傷つける結果となっているんだよ。でも、人々は幸せになるために生まれてきているんであって、傷つくために生まれてきているんじゃないんだ。だから、われわれもこの“救済計画”にのっとって、はたらいているんだよ。最近地球で、愛についてよく語られているのに、気がついたかい?」

 「ああ……そう言えばそうだ」

 「それは、この“水がめ座の時代”に入り、これらのメッセージを受け取るひとが多くなり、その多くのひとが、前にもまして強くなったこの愛の放射の力を、感じているからなんだよ」

 「じゃ、どうして、いま、地球には、より多くの苦しみがあるの?もっと前の時代には、世界大戦だとか貧困だとかペストだとかあったにしても……」

 「人々は、以前、ざんこくな行為に対してそれほどせんさいではなく、戦争もとうぜんのことと考えていた。でも、いまはもうちがうんだ。大部分のひとはただ平和に生きることを願っている。“新しい時代の人間”は、よりせんさいな放射の影響を受け、かわいそうに苦悩に対してより敏感で、より傷つきやすくなっているんだよ。ペドゥリート」


 すさまじいスピードで、あのきみょうで霊的な振動に満ちあふれている場所から、立ち去った。

 「アミ、あとなん時間くらい、のこっている?」

 「二時間だよ」

 「へんだなあ。海岸でこの円盤に乗ってから、十二時間くらいはたっているように感じるけどね……」

 「前にも言ったように、時間が伸びをしたんだよ。じゃ、こんどは、“映画”を見に行こう」


 オフィルの夜になっているところについた。野原も建物も、みな、たくさんの照明で照らされ、とても明るかった。

 観客で満員の野外映画館のようなものが見えてきた。スクリーンはうすいガラス板でできていて、そこに静かな音楽に合わせて、カラーの抽象的な画像がうつっていた。スクリーンの正面には、きわだって特別なイスが見え、そこに頭にヘルメットのようなものをつけ、目を閉じて瞑想しているひとりの女のひとがすわっていた。


 「アミ、なにしているの?あの女のひと?」

 「彼女が想像したことがスクリーンにうつるんだよ……撮影者も映画技師もいらない“映画”といったところかな」


 「でも、これは信じられないよ」

 「テクニック、たんにテクニックの問題だよ」

 彼女が終わったあとで、こんどは、男のひとがそのイスにすわった。観客は撤手を送っていた。


 別の音楽が鳴りはじめた。スクリーンには何羽かのスマートな鳥が、ガラスか水晶ででもできたような風景の上を、音楽のリズムに合わせて華麗にとんでいた。それは、まるで、アニメーションを見ているようで、とても美しかった。しばらくのあいだ、だまってこのすばらしい宇宙映画館の映像を楽しむことにした。

 そのあとで男の子が席につき、いくつものきみょうな惑星で起こった、ほかの惑星の女の子との愛の物語を披露しはじめた。映像は前に見たふたりにくらべて、鮮明度に欠け、ときどきすっかりぼやけてしまうときもあった。

 「どうして、ぼやけたりするの?」

 「まだ、子どもだからおとなのような集中度にまで達していないんだ。でも、彼の年にしては、とてもよくできている」

 「音楽もいっしょに想像するの?」

 「それは、まだ、ここじゃできない。でも、別の世界では、そのふたつをどうじにできるところがある。オフィルでも、音楽家が音楽を想像して、観衆が聞くというコンサートホールがあるよ……。じゃ、こんどは、遊園地に行ってみたいかい?」

 「もちろん!!」


 とても幼想的な世界についた。そこはあらゆる娯楽施設でいっぱいだった。巨大なジェットコースター、回転木馬、いろいろなぬいぐるみの動物たち、幻想的な風景のセット……別の遊び場では、無重力状態になっているところがあって、みな自分のからだが宙に浮くのを大笑いしながら楽しんでいた。

 「より進歩した人間ほど、子どものようになってくるんだ」とアミが説明してくれた。

 「ここには、こういったものがたくさんつくられている。進歩したおとなの精神は、まるで子どもとそっくりだ。だからわれわれには、こういった遊びとか、幻想とか、創造といったものが必要なんだよ……。でも最大の遊び、幻想、創造といえるのは大宇宙であり、その創造者は愛だ……」

 「神?」

 「愛は神だからね……われわれの言葉では、創造者とか神性とか神とかを意味するのに、たったひとつの言葉がある……それは、“愛”という言葉で、いつも大文字で書きあらわすようになっている。いつか地球でも、おなじようにするようになるだろう……」

 「アミ、ますます愛がたいせつだってことに気がついてきたよ」

 「でもまだまだじゅうぶんとは言えない……じゃ、オフィルの見学はこのへんにしておこう。地球でも、もし、人々の心がつながり合えさえすれば、あすにでもオフィルのように暮らすことができるんだよ。そのほかの必要なことは、すべてわれわれが教えてあげられるんだ。

 じゃ、こんどは、きみもぼくもいまのところまったく到達できない世界へ行くよ。ただ今回のように、特別な、重要な目的のためにだけ、ほんのいっしゅん、見ることができる。あそこには、2000度以下のひとはだれもいない。到着するまで時間がかかるからイスにすわって、別のことを話そう」


 アミはそうじゅう棹を動かした。円盤は軽く振動し、星は長くのび、まどには霧があらわれ、ぼくたちが遠くの世界にむかっていることを示していた。





【感想】

 空を飛んでいる人たちを見て、さぞ、ペドゥリートはびっくりしたでしょう。それは「愛の力」が持ち上げているとのこと。精神を愛に集中させることによって一時的に愛の度数が2000度以上にもなるなんて!もちろんファンタジーの世界の話ではあるけれど、そうなれるものなんだ、と考えるだけで、

ワクワクしますね!アミは「自分のはるか上にある段階のことなんか、見ることも想像することもできない」と言っていますが、その通りだな、と思います。だからこそ、タイミングで「情報」が入ってきて、少しずつ「上にある段階」を知るチャンスを得ていくものなのだと理解しました。


 このアミの小説が最初に書かれたのは約40年前ですが、そのときにすでに「みずがめ座の時代」が来ることがわかっていたようです。そして、みずがめ座の時代とは「愛の時代」です。2025年から本格的な「みずがめ座の時代」に入ると言われています。愛の度数をどんどん上げていく、そんな時代が始まっていることに感謝の気持ちでいっぱいです。わたしたち地球を宇宙全体が応援してくれているに他ならないと思うからです!


 この章の最後のパートで、自分がイメージしていることを映し出すスクリーンのお話しがあります。一人ひとりがどんな世界観で生きているかを他の人が見られるならば、どんなにか楽しいでしょうね。しかも明確にイメージできていない部分は「ぼやける」とのこと。どれだけ、しっかりと自分の在りたい姿、目指す世界をイメージできるかが大事だということですね。地球では、ここから言葉やアートでの表現をして初めて他者に届くのですが、その前にある「心の中にあるイメージ」を大切にして、その表現をしていくのが「人生をデザインする」ということですね!



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